人の顔色をうかがうのが、やめられない。
何かあると、反射で「ごめんなさい」が出る。
完璧じゃないと、落ち着かない。
頑張って、頑張って、もう頑張れない。
それ、あなたの性格じゃないかもしれません。
怒鳴られる家の中で、生き延びるために身につけた方法が、今も体に残ってるだけかも。
ひとつでも「あ、これ私だ」と思ったら、少しだけ読み進めてみてください。
いつ怒鳴られるか分からない家では、子どもは、親の顔色を読むのがものすごく上手になります。声のトーンが少し下がった。ドアの閉め方が強い。足音が速い。——そういう小さな変化を、危険を察知するために、必死で覚えていく。
そして、怒鳴られる前に先に謝る。完璧にやって、怒られる隙をなくす。自分の意見は引っ込めて、機嫌をそこねないようにする。——それが、あの家で無事に過ごすための、精一杯の工夫だったんですよね。
顔色を読むのも、先に謝るのも、あなたが臆病だからじゃない。怒鳴られる場所で、自分を守るために身につけた“技術”です。子どものあなたは、それだけ必死に、その家を生き延びてきた。
今はもう、怒鳴る人がそばにいない。それでも、体が先に反応します。上司がちょっと黙ると「怒ってる…?」と身構える。誰かの機嫌が悪いと、自分のせいな気がする。人が、なんとなく怖い。信用しきれない。
そして、いちばんしんどいのがこれ。ずっと気を張って完璧にやってきて、あるとき、ぷつっと頑張れなくなる。「頑張る」こと自体が、こわくなる。——それは、あなたが怠けたんじゃなくて、ずっと限界を超えて踏ん張ってきた、その反動です。
「どうして私はこうなんだろう」って、責めてきたかもしれません。でも、順番が逆です。あなたがこういう反応をするようになったのは、そうしないと安全じゃない場所にいたから。原因はあなたじゃなくて、環境のほうにあった。
怒鳴られてきた過去そのものは、消せません。でも、今も残っている“反応”のほうは、大人になったあなたが、少しずつゆるめていけます。
顔色をうかがうクセ、反射的に謝る、完璧じゃないと不安、人が怖い・信用できない、頑張りすぎて限界がくる、などが出やすくなります。性格ではなく、怒鳴られる環境で身を守るために身につけた反応が残っているものです。
“顔色を読む・先に謝る・完璧にする”は体が覚えた自動反応なので、親と離れても自動では消えません。今、安全な関係の中で少しずつ上書きすることで、ゆるめていけます。
違います。怒鳴られる家で生き延びるために必死で身につけた力の名残です。あなたはよく耐えて、ここまで来ました。この記事は自分を責めないための見方で、医学的な診断ではありません。
関連:毒親・生きづらさ診断/偽りの自分(9つの仮面)診断/コラム一覧
これは、心のしくみを見つめるための読み物です。医学的な診断ではなく、すべての人に当てはまるわけでもありません。つらさが強いときは、我慢せず専門家や医療機関を頼ってくださいね。