「お父さんがね」「お母さんはこんなに我慢してるのに」。
子どもの頃から、親の愚痴を聞かされてきた。機嫌が悪ければ顔色を読んで、なだめて、場を丸くおさめてきた。
それが当たり前すぎて——「これって普通じゃないんだ」と気づくまでに、何年もかかった人は、とても多いです。
本来、親の悩みや不機嫌は、親自身が向き合うもの。子どもに聞かせて、なぐさめてもらうものじゃない。
でも、親が自分の問題を子どもにぶつけてくる家庭だと、小さな子が親のカウンセラー役をすることになる。「お母さん大丈夫かな」といつも気にかけ、機嫌を取り、両親が揉めればわざとおどけて空気をやわらげる。——これは立派に、親の面倒を見てきた(親子逆転)ということ。殴られたわけでも、無視されたわけでもない。でも、子どもにとっては大きな負担です。
親の機嫌を読むことでしか、その場の安全を保てなかった。その“顔色アンテナ”は、大人になった今も作動したままです。
あなたは、親のカウンセラーになるために生まれてきたんじゃない。親の愚痴を聞くのがしんどいのは、冷たいからでも親不孝だからでもなくて、子どもには重すぎる役割を、ずっと一人で背負ってきたから。その重さに気づいてあげることが、下ろす準備のはじまりです。
わがままではありません。親の悩みは本来、親自身が向き合うもの。それを子どもが聞き役・なだめ役として引き受けてきたなら、大きな負担です。しんどいのは自然で、冷たいわけではありません。
親の機嫌を読むことでしか安全を保てなかった人は、顔色アンテナが常に作動したまま。だから無関係な人の不機嫌でも心がざわつき、自分が何とかしなきゃと感じやすくなります。
「私は親のカウンセラーじゃない」と自分に許可を出すこと。全部受け止めなくていい。聞き流す・席を外す・事後報告にする、という小さく守る一手を持つだけで負担は変わります。
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これは、心のしくみを見つめるための読み物です。医学的な診断ではなく、すべての人に当てはまるわけでもありません。つらさが強いときは、我慢せず専門家や医療機関を頼ってくださいね。