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好きな人に惹かれるのは、
「父親にもらえなかった愛情」かもしれない

「これじゃない」と頭では思うのに、彼から意識が離れない。その人の雰囲気や立ち姿が、なぜかずっと恋しくて、つい目で追ってしまう。——もしその惹かれ方が、自分でも説明できないほど強いなら。それは相手本人だけじゃなく、あなたが子どもの頃、本当はほしかった愛情の“面影”を、似た雰囲気の彼に見ているのかもしれません。

🌙 こんな感覚、ない?

昔、こんなふうに愛されたいって、無意識に願ってた。それが、気になる人を通して目の前に現れる。そして、心に空いた穴を、そっと開いてしまう。だから、どうしようもなく惹かれる。「これじゃない」と思っても、心はまた彼に持っていかれる。——その人の後ろにある“面影”が、あなたを引き寄せているのかもしれない。

惹かれているのは、彼? それとも「彼の後ろにあるもの」?

好きな人は、現実の人。だから会いたい気持ちはあるし、顔も雰囲気も好き、同じ空間にいると嬉しい——それは全部本当です。でも、その切なさの強さが、「ただの気になる人」に対するものより、あきらかに大きいことがある。

そういうとき、気持ちは二層になっていることがあります。

一層目は「あの人に会いたい」。
二層目は「あの人の中に感じる“誰か”に会いたい」。
そして、二層目の方が、ずっと重い。

だから会えない日は、「今日いなかった」で終わらず、“またあの人が遠くに行った”みたいな喪失感になる。でも、その“あの人”には顔も名前もない。会いたい相手が誰なのか、自分でも分からない。——そこが、一番切ないところです。

その“面影”に、名前がつくとき

顔も名前もない誰か。その正体をそっとたどっていくと、こんなところに行き着くことがあります。

本当はお父さんに、こんなふうに愛してほしかった。どこか父に似た雰囲気の彼に、あの頃の寂しさも、ほしかった温もりまで、投影してしまっている。彼の独特な振る舞いや立ち姿がずっと恋しくて、つい目で追ってしまうのは——その立ち姿が、過去に置き去りにしてきた寂しさを、呼び覚ましてしまうから。

ここまで来ると、もう恋の話だけではなくなります。彼に惹かれるのは、おかしいことでも、弱いことでもない。ずっとほしかったのに、届かなかったから。届かなかったものほど、人は探し続けてしまうのです。彼はたまたま、その後ろ姿に似ていただけ。あなたが本当に求めているのは、彼そのものより、あの頃もらえなかった温もりなのかもしれません。

本当は、こうしてほしかっただけ

大それた望みじゃなかったはずです。子どもが親に願う、いちばん普通のこと。たとえば——

それは、わがままでも、重いのでもありません。あなたはただ、それをもらえなかっただけ。

「愛されてない」と思ったのは、理由を教えてもらえなかったから

小さいあなたは、理由が分からなかった。

なんで選んでくれないの?
なんで優先してくれないの?
なんで仕事ばっかりなの?
なんで、私に無関心なの?

子どもには、「親にも親の事情がある」なんて分かりません。分からないから、たった一つの結論にしかたどりつけない。——「私は、愛されてないんだ」。それしか、映らなかった。だから寂しくて、悲しかった。

でも、それは事実だったわけじゃない。理由を教えてもらえなかった小さいあなたが、そう思うしかなかっただけ。泣いて「いかないで」と叫んでも行ってしまった後ろ姿を、あなたはずっと、心のどこかで見送り続けてきたのかもしれません。

だから、これは「恋愛依存」じゃない

この切なさが出てきたとき、「また恋に依存してる、私はダメだ」に持っていかないでください。むしろ逆のことが起きています。今まではその人を見に行くことで、“あの何か”にずっと薄く触れ続けていた。触れ続けている間は、寂しさは表に出てこない。ぼんやり満たされているから。

でも、少し距離を取ろうとしたり、外側への行動を止めたとき、初めて「あれ、私こんなに寂しかったんだ」が顔を出す。寂しさが出てきたのは、逃げ道を自分で閉じられた証拠です。外側に価値を置くのをやめたからこそ、「私は本当は何を求めてたんだろう?」が、ようやく表に出てこられた。それは、あなたがちゃんと自分に戻れているということです。

ここまで来たら、見てみたい“もう一枚”

今出ているのは、たぶん「あの人を手に入れたい」ではなく、「ずっと会いたかった誰かに、まだ会えていない」という悲しさ。そこまで来たら、恋心をどう処理するかより、その面影は、あなたに何をしてほしかった人なのかを見た方が、もう一枚めくれます。

読んだ瞬間、胸がぎゅっとなる言葉が、たぶん一つだけあります。頭で選ぶのではなく、体が反応するもの。

守ってほしかった。
見つけてほしかった。
可愛がってほしかった。
一緒にいてほしかった。
迎えに来てほしかった。

今の「会いたい」の中身に、答えがあります。

その“面影”の正体を、一緒に見てみよう
目的は、恋を消すことじゃない。「私は本当は、どんな愛され方を受け取りたかったのか」を知ること。相手はきっかけかもしれないし、本人への好意は、そのまま残していい。
なぜ父親に似た雰囲気の人に惹かれてしまうの?

子どもの頃にほしかった愛情や温もりが満たされないまま残っていると、似た雰囲気の人に、その“面影”を無意識に投影することがあります。惹かれているのは相手本人だけでなく、あの頃受け取りたかった愛情かもしれません。

これは父親のせいにする話ですか?

いいえ。父親を責めるためではなく、自分が本当は何を受け取りたかったのかに気づくためのものです。子どもは親の事情が分からないので「愛されていない」と結論づけがちですが、それは子どものせいでもありません。

相手への好意は偽物ということ?

いいえ。現実の相手への好意も本物です。本人への好意と、面影への恋しさは両立します。どちらも否定しなくて大丈夫です。

関連:「好きなのに付き合いたくない」面影に恋をする/彼を振り向かせたいのは、親に振り向いてほしかったから/面影の掘り下げワーク

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これは、心のしくみを見つめるための読み物です。医学的な診断ではなく、すべての人に当てはまるわけでもありません。恋愛感情や親子関係を病気のように扱うものでもありません。自分の気持ちを観察する“ひとつの角度”として使ってみてください。