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毒親育ちが「他責思考っぽく」見えるのは、
自分軸を渡してもらえなかっただけ

人に流されやすい。自分の考えが持てない。「自分には無理」とすぐ諦めてしまう。——そういう自分を、「主体性がない」「人のせいにしてる」と責められたり、自分でも責めてきたなら。まず伝えたいのは、それは責任から逃げているのでも、ズルいからでもない、ということです。ただ、「自分で選ぶ」という主導権を、渡してもらえないまま大人になっただけかもしれません。

もしかして、こんなこと ない?

ひとつでも「あ、これ私だ」と思ったなら——読み進めてみてください。これは、あなたの性格の欠陥ではありません。

“他責っぽい”のと、本当の他責は、別もの

いわゆる「他責思考」は、自分の責任を認めたくなくて、人のせいにする姿勢です。でも、ここで話しているのはそれとは理由がまったく違う。行動が少し似て見えるだけです。

あなたが「自分には無理」「どうせ私なんて」と言うのは、責任を放り出したいからじゃない。むしろ逆で、「自分で決めていい」という感覚を、まだ持てていないから。判断の基準が、自分ではなく“他人”の側にある。——それが、外から見ると他責っぽく映ってしまう。名前をつけるなら、他責ではなく「他人軸」です。

人は最初、みんな“親軸”から始まる

ここは大事なところ。子どもは生まれた時、全員が「他人軸」——正確には「親軸」からスタートします。何が危なくて何が安全か、何をすればいいか、赤ちゃんは何も知らない。だから、判断の主導権を親が持つ。それは当たり前のことです。

そこから成長するにつれて、ひとつずつ、主導権を親から自分へ手渡されていく。今日着る服を自分で選ぶ。食べたいものを自分で決める。やりたいことを試してみる。「自分で選んだ」「自分で決めた」という体験を積み重ねること——これが、“自分軸”がインストールされていく過程です。

「毒親」の場合、その主導権が渡されない

ところが、支配や過干渉の強い家では、子どもが成長しても、主導権が親のまま握られ続けることがあります。しかも多くの場合、親は「取り上げている」自覚がない。「この子のため」「危ないから」と、良かれと思って決めてしまう。だから、渡さないままずっと来てしまう。

怖い家・機嫌の読めない家ならなおさら、子どもは「自分がどうしたいか」より先に「親がどう反応するか」で動くしかない。放っておかれた家でも、「自分でやるしかない状況にさせられた」だけで、自分の意思で選んだわけじゃない。——どのパターンでも、判断の基準は結局“親”にあった。これが親軸です。

🌙 いちばん伝えたいこと

あなたが自分で決められないのは、意志が弱いからでも、甘えているからでもない。「自分で選ぶ」という主導権を、渡してもらえる機会が少なかっただけ。これは、あなたの落ち度ではなく、順番が飛ばされただけなんです。

親から離れても、自動では“自分軸”にならない

ここが、毒親育ちの苦しみが長引く理由です。物理的に親元を離れても、精神的に距離を取っても、親軸は勝手に自分軸へ切り替わってはくれません。代わりに何が起きるかというと——「親軸」が「他人軸」に横滑りする。

親ひとりだった主導権が、今度は職場の人、友人、パートナー、たまたま近くにいる人へと、次々に移っていく。だから、その時々で誰の顔色をうかがうかが変わり、いつも誰かに振り回される。人といると異常に疲れる。どう思われたかが頭から離れない。——これは繊細さのせいだけじゃなく、「主導権が自分にない」不安そのものなんです。

“他人の顔色をうかがう”のが、いつも他人軸とは限らない

ややこしいのですが、顔色をうかがうこと自体が悪いわけではありません。見分けるポイントは「主導権が誰にあるか」です。

同じ行動でも、選んだ主体が自分かどうかで、まったく別のもの。自分軸とは、親や他人の意見を無視することではなく、「それを採用するかどうかを、自分が決める」ことです。

自分軸は、今からでも自分でインストールできる

子どもの頃に渡されなかったものは、大人になった自分が、意識して取り戻していけます。いきなり大きな決断を一人で背負う必要はありません。まずは、失敗しても困らない小さなことから。

「自分で選んだ」という感覚の積み重ねが、飛ばされてきた順番を、少しずつ埋めていきます。

あなたの“他人軸”が、どこから来ているのか一緒に見てみよう
目的は、親を責めることでも、急に強くなることでもない。「なぜ自分で選べなくなったのか」に気づいて、主導権を少しずつ自分へ戻していくこと。
毒親育ちが“他責思考っぽく”なりやすいのはなぜ?

責任から逃げたいからではなく、「自分で選ぶ主導権」を渡してもらえなかったことが多いためです。判断の基準が自分ではなく他人・親のままだと、流される・決められない・自分には無理と感じやすく、他責的に“見える”行動につながります。

自分軸がないのは性格の問題?

性格や繊細さだけの問題ではありません。人はみんな“親軸”からスタートし、主導権を少しずつ渡される体験で自分軸が育ちます。その機会が少ないと、大人になっても他人軸のままになりやすいのです。

大人になってから自分軸は育てられる?

育て直せます。親元を離れても自動では切り替わりませんが、「これは自分で選ぶ」という小さな選択を積み重ねることで、今からでも取り戻せます。この記事は自分を責めないための見方で、医学的な診断ではありません。

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これは、心のしくみを見つめるための読み物です。医学的な診断ではなく、すべての人に当てはまるわけでもありません。つらさが強いときは、我慢せず専門家や医療機関を頼ってくださいね。