あと少しでうまくいく——そのタイミングで、決まって体調を崩す。急にやる気が消える。思わぬトラブルやお金・時間の都合で、諦めざるを得なくなる。まるで成功する直前で、自分でブレーキを踏んでいるみたい。本人がいちばん「なんで?」と思っている。それは怠けでも運が悪いのでもなく、心の奥に「うまくいってはいけない」という無意識の呪いが隠れていることがあります。
多くの親は、子どもに矛盾した期待をかけます。「人並みにしなさい」と言いながら、「1番になりなさい」とも言う。ところが——子どもが本当に親を超えてしまうと、親が無意識に嫉妬したり、寂しくなったりすることがあるのです。
子どもはその空気を敏感に読み取り、こう学びます。「親を超えてはいけない」「私はまだ、あなたの手のかかる子どもでいなければ」。だから、成功の手前で無意識にブレーキを踏む。問題を起こして親に心配・世話をしてもらうことで、「私はまだあなたの子どもですよ」とつながりを守ろうとする——精神科医の斎藤学氏は、こうした無意識の力学を数多くの事例で示しています。
この呪いは、あなた一代のものとは限りません。祖父母→親→自分と、同じパターンが世代をまたいで繰り返されることがあります。たとえば「女性はいつも頼りない相手を選ぶ」「男性が生まれると依存的になる」など、家系ごとの“クセ”です。
あなたが幸せになり、成功することは、親を裏切ることでも見捨てることでもありません。むしろ、不幸の連鎖を止めるいちばんの親孝行かもしれない。「超えていい」「先に幸せになっていい」と、自分に許可を出していきます。
心のどこかで「いつか完璧に受け止めてくれる親(的な存在)」を探し続けていると、会社・恋人・宗教などに“理想の親”を投影して、また支配される関係に陥りがちです。外に理想の親はいません。自分の中の子どもは、自分で育てる——そう決めると、人間関係が対等になっていきます。
ずっと親や世間の価値観で生きてきた人は、「自分が本当は何をしたいか」が分からなくなっています。まずは感じること。悲しみや怒りをちゃんと味わう(嘆く)ことを飛ばさずに、少しずつ自分のオリジナルの願いを取り戻していきます。
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※ 親を責めるためではなく、あなたが自分の人生を生きるための気づきを目的としています。医療的な診断ではありません。参考:斎藤学『インナーマザー』(だいわ文庫)。
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