ホストコールで知った社美緒さんについて思うこと
正直、私はホストに対して、めちゃくちゃ偏見があった。
ホストなんて、メンヘラの女性を奈落の底まで突き落とすような、底辺の人間の集まりだと思っていた。
女性から搾るだけ搾り取り、お金がなくなれば風俗で働かせて、体を張って得た収入まで全部吸い尽くす。
そのうえで、
「俺はこれだけ搾り取った」
と売り上げ自慢しているような連中だと思っていたの。
だから、ホスト業界にいる人を見て、久々に「この人はすごい」と思う日が来るなんて、まったく想像していなかった。
それが、ホストコールで知った社美緒さんだった。
「この人他の人と話し方から何からなんか違う。どんな人なのかな?」って気になってたら、関連動画で社美緒さんがやってるYouTubeが出てきた。
試しに見てみたら、その考え方に思わず「おぉ 久々にこんなにできた人みたかも・・」って思ったの。
水商売は、人間心理がむき出しになる場所
社美緒さんを見ているうちに、水商売という仕事そのものについて考えるようになった。
水商売って、承認欲求ど真ん中で、人間心理の最前線にある仕事だと思う。
人は何を求めているのか。
どんな言葉をかけられたいのか。
何に傷つき、何に執着し、何にならお金を払うのか。
マーケティングも、人間心理も、自分のあり方や生き方も、全部がそのまま結果に表れる。
特にホストは、自分自身が商品になる仕事でもある。
表面だけを取り繕っても、自分の未熟さや弱さは、接客や売上、人間関係の中に出てくる。
「自分がどんな人間なのかを誤魔化し続けることが、難しい仕事なのかもしれない」と思った。
社美緒さんは、そんな場所で人間について勉強し、実際に経験し、分析することを、自分の体を使って繰り返してきた人なんだと思う。
論文を書いて人間を研究してきた学者とは、知識を得てきた場所が違う。
人間の欲や依存を外から観察してきた人と、自分も渦の中に入り、欲、嫉妬、承認欲求、お金が絡み合う場所で生きてきた人。
どちらも人間を研究していることには変わりないけれど、実際に自分の人生を使って経験し、それを血肉にしてきた人の言葉には、また別の重みがある。
社美緒さんの言葉が的確に感じられるのは、人間について知識として理解しているだけではなく、実際の人間を相手に何度も確かめてきたからなのかもしれない。
答えを与えず、自分で考えさせる
社美緒さんの経営指示を見ていると、その人の何ができていて、何が足りていないのかを、かなり的確に指摘している。
でも、そのあとに何をすればいいのかまでは、細かく教えていない。
最初は、そこまでわかっているなら、答えまで教えてあげたほうが早いんじゃないかと思った。
でも、答えを全部教えてしまえば、その場ではうまくいっても、本人が自分で考えたことにはならない。
また別の問題が起きたとき、誰かから指示をもらわなければ動けなくなる。
社美緒さんは、目の前の問題を代わりに解決するのではなく、その人が自分で答えを出せるようになるところまで見ているんだと思う。
そして、その指示を見ているうちに、私にはユーザーを見る視点が抜け落ちていたことに気づいた。
私は自分の利益や数字ばかりを見ながら、どうすればもっと売れるのか、どうすれば効率よく利益を出せるのかを考えていた。
でも、
「なぜ、これがユーザーに必要なのか」
という部分を、きちんと考えていなかった。
ユーザーに必要なものを作った結果として利益が生まれるのではなく、利益を作るために、何かを売ろうとしていた。
自分では仕事について真剣に考えているつもりだったからこそ、その視点のズレにも気づかなかった。
社美緒さんの指示を見て、何をするか以前に、私が見ている場所そのものが違っていたのだと思わされた。
上に噛みつくことを許すということ
もうひとつ、私にとって目から鱗だったのが、上の人間に反論したり、噛みついたりすることを、悪いものとして扱っていないことだった。
私も以前、組織の中にいたとき、上司に反論したり、相手の痛いところを指摘したりしたことがある。
すると、その場が一瞬静まり返り、気まずい空気が流れた。
そのとき私は、内容が正しいかどうかよりも、上司を不快にさせないことのほうが大事なんだと感じた。
組織の中では、上の人が見落としていることに気づいても、面と向かって歯向かってはいけない。
それが、組織で働くということなんだと思っていた。
だから、自分に噛みついてくる相手を黙らせず、意見をぶつけることまで許している社美緒さんの度量が、私にはものすごく大きく見えた。
組織を経営していれば、従業員には見えない苦労やストレスもたくさんあると思う。
自分がそれだけの責任を背負っている中で、さらに相手の不満や感情までぶつけられたら、
「こっちの苦労も知らないで」
と言いたくなることもあるはず。
私だったら「やめろ、クソが」と思ってしまう。
子どもに反抗されたときですら、殴りたくなるほど腹が立つことがある。
もちろん、実際に殴るわけではない。
それでも、自分に歯向かわれるというのは、それくらい感情を揺さぶられてしまう
だからこそ、自分の感情をぶつけ返すのではなく、相手が何を見て、なぜ噛みついてきたのかまで受け止められる社美緒さんが、私には化け物のように見えた。
反論を許すというのは、ただ優しいだけじゃ無理で
自分にも見えていないものがあり、自分の判断も間違うことがあると認めていなければできない。
そして、相手が成長するためには反論させないといけない。
「むかつくー」って相手がイライラしないと、そいつ自身が成長しない。って、怒りの奥の奥まで見据えてるのが「すごい」って思ったの。
今までたくさんの経営者の考え方を聞いてきたけど、これだけ社員の成長の奥行きをみてる人って他にいない。
そこに1番感動したし、ここまで従業員を対人としてみてくれる経営者ってあんまりいないよね。
こんな上司の下で働いてみたかったなーって思った。
人間心理を、何のために使うのか
私はこれまで、人間心理を深く理解している人は、人間力のある人なのだと思っていた。
でも、社美緒さんを見ていて、それだけではないのだと気づいた。
人間心理を知っていれば、相手の弱いところも、欲しがっている言葉も、依存させる方法もわかる。
その知識を使って、人から搾り取ることもできる。
反対に、相手が自分で考え、自分の力で立てるようになるために使うこともできる。
人間心理をどれだけ知っているかよりも、それを何のために使うのか。
たぶん、その違いにその人のあり方が出る。
社美緒さんは、人を動かす方法を知っている。
それでも、相手を自分の思いどおりに動かすのではなく、答えを与えすぎず、反論することまで許しながら、自分で考えられる人間を育てようとしている。
私がこの人に感じた人間力は、知識の多さや言葉の鋭さではなく、自分が持っている力の使い方だったのだと思う。
私はマーケティングや心理について学びながら、それを「どうすれば売れるのか」という、自分の利益のために使おうとしていた。
でも、本当に考えなければいけなかったのは、その知識を使って、誰の何を変えたいのかということだった。
ホストコールを見始めたときは、まさかホスト業界にいる人から、そんなことを考えさせられるとは思っていなかった。
久々に「この人はすごい」もっとこの人の考え方に触れてみたいと思ったの。
私もこの人みたいに、その人の中に眠る奥行きを引き出せる人になりたい。
自分自身も痛みの中を歩いてきたんだから、もっと寄り添える人間に成長していきたいなって思った。